短中期的なトレードを行う場合、トレンド転換点、売り時の見極めが大きな課題です。
これらの見極めにはテクニカル分析が用いられることが多いですが、過去に連動していないテクニカル分析に着目しても意味はありません。重要なことは、銘柄が連動しているテクニカル指標を見つけ出すことです。
本記事では「指数補正チャート」を使った、トレンドの転換点、売り時の見方について実例を交えながら紹介します。
指数補正チャートって何?
指数補正チャートとは個別株の値動きに対して、日経平均やTOPIXなどの指数の値動きを割ったものです。
指数補正チャート = 個別株チャート ÷ 指数チャート
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早速、指数補正チャートの表示方法を解説します。
通常、個別銘柄を調べる際は下図のように銘柄コードを入力します。
指数補正チャートを表示するためには個別株を、採用されている指数で割る必要があります。
トヨタ自動車は日経平均に採用されているため今回は
トヨタ自動車 ÷ 日経平均
のチャート を表示させましょう。具体的には下記のように入力します。
検索結果には何も表示されませんがこれでOKです。
続いてこの計算式の意味を説明します。
上記計算式は「TSE:7203」を「TVC:NI225」で割っていることを示しています。
「TSE:7203」は東京証券取引所で取引されている証券コード7203番、つまり、トヨタ自動車を示しています。
そして、「TVC:NI225」は先物取引されている日経平均を示しています。
注意点としては、「TSE」や「TVC」「NYSE」(ニューヨーク証券取引所)の入力を忘れてはいけません。
間違えて、「7203/NI225」と入力しても適切なチャートは表示されません。
指数補正チャートでできること①
個別銘柄の勢いの強さを確認する
指数補正チャートを見ることで、下記がわかります。
- 長期的にその銘柄が市場全体より強いのか弱いのか?
- 短期的に大きな上昇・下落があった時にそれが個別銘柄の影響によるものなのかを判断できる。
【実例紹介①】指数補正チャートを使って銘柄の勢いを見極める
米国の有名な株である「インテル」を見てみましょう。
インテルの10年の株価の動きは次のようになっています。一見、波はあるものの右肩上がりの素晴らしいチャートですね。
続いてインテルを採用しているNASDAQの指数補正を加えたチャートを見てみましょう。
すると、先ほどのチャートから一変して右肩下がりのチャートとなってしまいました。
これはここ10年にわたり、INTELの株価の上昇はNASDAQの株価の上昇より下回っていることを示します。
したがって、「INTEL」は長期的にみるとNASDAQより弱い銘柄であるため、チャートを見る限り、長期的には他の銘柄に投資したほうが良いと判断することができます。
指数補正チャートでできること②
テクニカル分析と組み合わせる
指数補正チャートと、テクニカル分析を組み合わせることで、トレンド転換点・株の売り時がわかる場合があります。
以下ではトレンドラインと窓埋めに着目した例を紹介します。
【実例紹介②】指数補正チャート + 窓埋め(おまけで天井)
米国のハイテク銘柄「Synopsys」を使って説明していきます。
「Synopsys」の場合、指数補正チャートを使うことによって、10月初旬の上昇転換タイミングをかなり正確につかむことができました。
指数補正のない2021年からのチャートは以下です。
つづいて、同じ期間の「Synopsys」のNASDAQ指数補正チャートは以下です。
補正のないチャート(上)を見ると、8月に開けた窓を埋めてから、しばらく横ばい時の状態が続いています。窓を埋めてから上下を繰り返しており、窓埋め後の上昇を狙った場合、すぐに上昇しているわけではなく少し忍耐強さが必要でした。
一方で指数補正チャートを見ると10月11日に窓を埋めて(厳密にはわずかにあいてますが。。。)そこから大きく反発していることがわかります。
おまけですが、9月の下落転換タイミングも指数補正チャートでつかむことができました。
2月中旬の高値にタッチしてから下落転換しています。
次回個々のラインにタッチしたら一部利益確定、そして明確に超えてきた場合、買い増しを考えていきたいチャートですね。
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